2008年7月25日金曜日

これからどうなる、大阪府の安藤博物館

大阪府ではマスコミに報じられている通り橋下知事が大活躍している。行政改革はあれぐらいの勢いと覚悟でやるべきで、その行動力は素晴らしいと思う。だが安藤建築のファンとしては少々困ったことになりそうな雲行きなのである。
大阪府には安藤忠雄が設計した博物館が二つある。「近つ飛鳥博物館」と「狭山池博物館」である。橋下知事は補助金削減の話の中で「図書館以外の府立施設はすべて見直し」という発言をしているからだ。なぜ図書館以外なのかはよくわからない。改革に聖域を設ない方針は理解できるし、いわゆる箱モノには好景気の時に勢いだけで作られ、その意義もはっきりせず市民の利用率も高くないものが多いからだ。


この二つの博物館は安藤らしい素晴らしいものだ。安藤の作品集にもしばしば登場するので安藤自身も気に入っている作品だと思われる。両方とも展示物や展示内容も充実しており、かなり立派な博物館である。ただ博物館としてのコンセプトなどが十分に検討されたのかどうか批判する声もあるようだ。もしそういう部分があるとすれば、それは建築家の問題ではなく、施主(つまり大阪府)の問題なのだが。

私が訪問した時、どちらの博物館もとても賑わっているとは言えない状況だった。訪問したのは年末年始とゴールデンウィークの連休期間である。特に「近つ飛鳥博物館」はその主題である古墳地帯にあるため、公共交通機関で行くには恐ろしく不便な場所にある。多少のテコ入れで状況が変わるとは思えない。かく言う私自身も安藤建築でなかったら恐らく訪問していないだろう。

どのような結論になるのかわからないが、どんな結論でも建物だけは残して欲しい。これが正直な気持ちである。

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