2010年1月4日月曜日

何故か警戒が手薄な裁判所

ある事情があって、月に一回程度のペースで大阪地方裁判所へ行く機会がある。意外なのは裁判所の警備体制である。裁判所は民主主義の根幹である三権分立の一翼を担う司法機関である。当然ながら水も漏らさぬ万全の警備体制が敷かれていると思っていたのだが、その実態は拍子抜けするぐらいである。門や建物の入り口に守衛さんは立っているし、厳しい雰囲気は漂っているのだが、敷地内に入り、建物に入り、目的の部署の窓口に行き着つくまでに一度も呼び止められたり何かに氏名を記入することがない。身分証明書や呼び出し状の類を見せることもないし、荷物のチェックも一切無い。私はスーツを着ないし、パソコンやその他の荷物を入れた大き目のリュックを背負っているのだが、ノーチェックで建物内を自由に歩き回れる。これでいいのかと思ってしまうほどだ。弁護士控室、相手方控室などが廊下に面して並んでいるのだが、弁護士など関係者でなくてもそれらの部屋へ自由に入室できてしまう(これらの部屋は廊下に面した側が全面ガラス張りで、中の様子は廊下からよく見える)。

裁判所はその性質上、問題を抱えた人が来ることが多いはずで、それを物理的に解決したいと画策する人がいてもおかしく無いだろう。裁判所は性善説に立っているのだろうか。性善説が真理なら調停や裁判、法執行などが最低限で済むはずなのだが。川を隔てたすぐ近くにある中ノ島図書館を思い出して複雑な気持ちになった。確かに裁判所には盗み出したいものはほとんどないだろう。

0 件のコメント: