大阪府ではマスコミに報じられている通り橋下知事が大活躍している。行政改革はあれぐらいの勢いと覚悟でやるべきで、その行動力は素晴らしいと思う。だが安藤建築のファンとしては少々困ったことになりそうな雲行きなのである。
大阪府には安藤忠雄が設計した博物館が二つある。「近つ飛鳥博物館」と「狭山池博物館」である。橋下知事は補助金削減の話の中で「図書館以外の府立施設はすべて見直し」という発言をしているからだ。なぜ図書館以外なのかはよくわからない。改革に聖域を設ない方針は理解できるし、いわゆる箱モノには好景気の時に勢いだけで作られ、その意義もはっきりせず市民の利用率も高くないものが多いからだ。
この二つの博物館は安藤らしい素晴らしいものだ。安藤の作品集にもしばしば登場するので安藤自身も気に入っている作品だと思われる。両方とも展示物や展示内容も充実しており、かなり立派な博物館である。ただ博物館としてのコンセプトなどが十分に検討されたのかどうか批判する声もあるようだ。もしそういう部分があるとすれば、それは建築家の問題ではなく、施主(つまり大阪府)の問題なのだが。
私が訪問した時、どちらの博物館もとても賑わっているとは言えない状況だった。訪問したのは年末年始とゴールデンウィークの連休期間である。特に「近つ飛鳥博物館」はその主題である古墳地帯にあるため、公共交通機関で行くには恐ろしく不便な場所にある。多少のテコ入れで状況が変わるとは思えない。かく言う私自身も安藤建築でなかったら恐らく訪問していないだろう。
どのような結論になるのかわからないが、どんな結論でも建物だけは残して欲しい。これが正直な気持ちである。
2008年7月25日金曜日
2008年7月18日金曜日
安藤忠雄のサイン本
安藤忠雄の講演会に行くと、その後に書籍の即売会とサイン会があることが多い。私も過去に2回ほど書籍を購入してサインをしてもらった。
サインをしている時の安藤はニコニコしており、とても楽しそうだ。サインもただ自分の名前を書くだけではない。書籍の購入者の名前と安藤建築のイラストまで書き添えるという、大変にサービス精神旺盛な対応なのである。サインをするのはサイン会だけではない。紀伊国屋や旭屋のような一般の書店で売られている本にもサインとイラストが描いてあるのをよく見かける。多忙なはずの毎日なのに、著作へのサインにかなりの時間とエネルギーを費やしているようだ。
安藤の性格については、気難しいとか、怖い人のように言われる事があるようだ。過去に「細工谷の家(野口邸)」の建築を取材したNHKのドキュメンタリー番組で、安藤がスタッフをどつく場面が放映されたらしい。こういうエピソードが積み重なってイメージが出来上がっているのだろう。しかし私の限られた講演会とサイン会の経験から受ける印象は全く逆だ。少なくとも希望者全員のみならず、誰が買うとも知れない本まで含めて、イラスト付きでサインをするのは並大抵ではない。彼の読者への思いと実直な性格が伝わってくる。
私の手元にはサイン本が4冊ある。残念なことに2冊でイラストが同じ題材になっている。彼の代表作である「光の教会」である。もちろん私は安藤にサインをしてもらえただけでも嬉しい。だがサイン会では常連の客も多いらしく、年配のご婦人には「安藤先生、今度は住吉の長屋にしてね」などとイラストに注文までつけている方もいた。とても私にはできそうにないが、安藤忠雄は快く笑顔で応じていた。
サイン会では新刊を中心に以下の本が売られていることが多い。残念ながら即売会で売っていない本にはサインはしてくれないようだ。
サインをしている時の安藤はニコニコしており、とても楽しそうだ。サインもただ自分の名前を書くだけではない。書籍の購入者の名前と安藤建築のイラストまで書き添えるという、大変にサービス精神旺盛な対応なのである。サインをするのはサイン会だけではない。紀伊国屋や旭屋のような一般の書店で売られている本にもサインとイラストが描いてあるのをよく見かける。多忙なはずの毎日なのに、著作へのサインにかなりの時間とエネルギーを費やしているようだ。
安藤の性格については、気難しいとか、怖い人のように言われる事があるようだ。過去に「細工谷の家(野口邸)」の建築を取材したNHKのドキュメンタリー番組で、安藤がスタッフをどつく場面が放映されたらしい。こういうエピソードが積み重なってイメージが出来上がっているのだろう。しかし私の限られた講演会とサイン会の経験から受ける印象は全く逆だ。少なくとも希望者全員のみならず、誰が買うとも知れない本まで含めて、イラスト付きでサインをするのは並大抵ではない。彼の読者への思いと実直な性格が伝わってくる。
私の手元にはサイン本が4冊ある。残念なことに2冊でイラストが同じ題材になっている。彼の代表作である「光の教会」である。もちろん私は安藤にサインをしてもらえただけでも嬉しい。だがサイン会では常連の客も多いらしく、年配のご婦人には「安藤先生、今度は住吉の長屋にしてね」などとイラストに注文までつけている方もいた。とても私にはできそうにないが、安藤忠雄は快く笑顔で応じていた。
サイン会では新刊を中心に以下の本が売られていることが多い。残念ながら即売会で売っていない本にはサインはしてくれないようだ。
- 「安藤忠雄の建築1 House & Housing」、2007年3月初版発行、安藤忠雄著、TOTO出版
- 「安藤忠雄の建築2 Outside Japan」、2008年1月初版発行、安藤忠雄著、TOTO出版
- 「建築を語る」、1999年6月初版発行、安藤忠雄著、東京大学出版会
- 「連戦連敗」、2001年9月初版発行、安藤忠雄著、東京大学出版会
- 「安藤忠雄 建築手法」、2005年2月初版発行、二川幸夫発行、A.D.A.Editor Tokyo
2008年7月15日火曜日
一体何件あるのか、安藤忠雄の建築
安藤の作品を訪ね歩くうちにこの疑問が頭を離れない。私はこれまでに見つけた安藤建築をGoogle Mapに登録して記録している。今のところ日本国内の作品が対象だが今日現在(2008年7月15日)、218件が登録されている。既に訪問したものが92件、25件の場所が未だに不明である。しかしこれで全てではない。
私の情報源は主に書籍とインターネットだが、どうやら安藤建築の全てを網羅したリストはどこにも無いらしい。安藤の著作物にも巻末に作品リストが載っているが、どの著作のリストも完全に一致しないのだ。しかもインターネットの情報によると、それらに全く載っていない作品もあるらしい。個人住宅や商業建築では施主の意向で全く公表されないものがある事を窺わせる。
恐らく正確な数は安藤本人しかわからないのだろう。安藤は雑誌のインタビューで「今まで手がけた建築作品は一体どのくらいあるのでしょうか?」という質問に対して、「いつか仕事をやめたとき、数えてみようと思っています」と回答している。(カーサブルータス特別編集「安藤忠雄×旅 総集編」より。) 全くの勘だが、私はまだ全作品中の三割程度は未発見だろうと思っている。つまり国内には300ぐらいの作品があると推定している。意図的に安藤建築の見学を始めたのが昨年の4月なので一年三ヵ月でおよそ30%を見学できたことになる。いいペースだと思うが、多分生涯で全ての作品を見ることはないだろう。どこまで迫れるのかライフワークとして取り組みたい。
参考までに一般に手に入る書籍で、作品リストが新しくまた充実していると思われるものは以下である。
私の情報源は主に書籍とインターネットだが、どうやら安藤建築の全てを網羅したリストはどこにも無いらしい。安藤の著作物にも巻末に作品リストが載っているが、どの著作のリストも完全に一致しないのだ。しかもインターネットの情報によると、それらに全く載っていない作品もあるらしい。個人住宅や商業建築では施主の意向で全く公表されないものがある事を窺わせる。
恐らく正確な数は安藤本人しかわからないのだろう。安藤は雑誌のインタビューで「今まで手がけた建築作品は一体どのくらいあるのでしょうか?」という質問に対して、「いつか仕事をやめたとき、数えてみようと思っています」と回答している。(カーサブルータス特別編集「安藤忠雄×旅 総集編」より。) 全くの勘だが、私はまだ全作品中の三割程度は未発見だろうと思っている。つまり国内には300ぐらいの作品があると推定している。意図的に安藤建築の見学を始めたのが昨年の4月なので一年三ヵ月でおよそ30%を見学できたことになる。いいペースだと思うが、多分生涯で全ての作品を見ることはないだろう。どこまで迫れるのかライフワークとして取り組みたい。
参考までに一般に手に入る書籍で、作品リストが新しくまた充実していると思われるものは以下である。
- 「安藤忠雄の建築1 House & Housing」、2007年3月初版発行、安藤忠雄著、TOTO出版
- 「安藤忠雄の建築2 Outside Japan」、2008年1月初版発行、安藤忠雄著、TOTO出版
- 「ANDO Compelte Works」、2007年初版発行、Philip Jodidio著、TASCHEN
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