2008年6月8日日曜日

自宅、残せないつらさ

大阪市内にある自宅は、正確な竣工年度はわからないが築七十年以上は間違いないと思う。間取りが古く、傷んでいるところもある。しかし柱や土台はしっかりしているので大幅なリフォームをすれば物理的にはまだまだ使えるはずだ。しかし経済的には難しいのである。












恐らくその最大の原因は私自身がそこに住めないことだ。一昨年に母が亡くなり今は空家になっている。相続して今は私の自宅になっているが、私は仕事で東京に在住している。この状況は当面変わる見込みがない。折角の自宅がありながらここに住めないのだ。では「必要になるまでそのままに置いておけばいいではないか」と言う人もいる。不動産はこれが難しい。まず固定資産税を毎年払う必要がある。火災保険にも入っている。誰も住まない家は痛みがが早く、修理も必要になる(実際に土壁が一部崩れて補修している)。時々は親戚に様子を見に行ってもらう事もあるし、私も月に一度ぐらいは行っている。あれやこれやで年間百万円を超える出費になっているのだ。金利を五パーセントと考えれば二千万円のローンを永久に組んでいるのと変わらない。活用できない不動産は負債と同じなのだ。

そもそも自宅を所有する理由は住む場所が必要だからだ。持たない場合はどこかに借りて家賃を払うしかない。買った方が有利なのか借りた方が有利なのか、判断は難しいが、とにかく住むところは必要だ。問題は自分が住まない不動産を所有する意味である。合理的に考えれば収益を産まない不動産を所有する意味はない。つまり売却するか賃貸に出するかしかない。既に書いたように何もしない、という選択肢はない(自分の家への愛着や思い出に二千万円の価値を見出すなら別だが)。

こういう理由で、まだ使えるはずの家を壊して賃貸物件を建てることを考えている。苦しく悩ましい決断である。最近のほとんど建て替えのようなリフォーム番組を見ていると、羨ましくて仕方がない。

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