自宅跡地を更地にして、基礎が完成した時である。施工してくれている生和建設から隣の家との境界のことで報告があった。隣の家屋の庇がわずかに越境しており、私の土地の上にはみ出しているのである。見てみると確かにそのようである。左の写真がその場所である(2009年6月に撮影)。
この越境は今回建築中の建物には影響しないため、隣の家とはお互いに事実を確認し、もし隣が建て直しや改築をする際には是正するという話になった。
長い年月を経るうちに土地の境界は次第にあいまいになる。特に戦前戦後からある住宅密集地では、お互いにどこが正式な境界かもわかっていない事も多いらしい。そんな状況で家の増改築や修理をすると、知らず知らずのうちに越境してしまうことになる。実際にこういう例は多い。私の家は築八十年ぐらいだったが、隣も似たような築年数なのである。
亡くなった母は、こういう状況を想定してか、亡くなる2年前に土地を測量し直していた。ちゃんと境界を明確にし、隣接する全ての土地の所有者と「筆界確認書」まで作成していた。土地がそこそこの広さ(500㎡以上)だったためか、この測量には七十万円ほどかかったようだ。これは土地を所有し維持管理するためのコストである。土地にかかるのは固定資産税だけではないのである。
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