残念ながらこの立派な入り口は普段は使われておらず、利用者はその両脇の通用口のようなところから出入りする。入って面食らったのはその入館手続きの厳重さである。
まず受付でロッカーの鍵を渡される。そこでロッカー室へ向かう。ロッカー室には高校で三十年間使われてきたような、錆が浮きまくったボコボコのロッカーが並んでいる。そこにバックなどの荷物をしまう。閲覧室へ持ち込みたい物品は、受付でA4サイズぐらいの透明な硬質ビニールの封筒を借り、そこへ入れて持ち歩く。海外ドラマに出てくる刑務所などへ入場する場面を思い出した。
受付で館内の写真を撮っていいかと聞くと、二階にある相談窓口へ行けという。行って聞いてみると「写真撮影許可申請書」を書けとのこと。撮影できるのは玄関ホールだけで、利用者が写らないように撮らなくてはならない。申請書に住所氏名から撮影目的(研究、観光、記念など何でもいいそうだ)、撮影時間(私は記入時の時刻から15分間とした)なども記入する。なお申請書と引き換えに写真撮影許可証(胸ポケットに留める名札のような形状をしている)が貸与され撮影中に着用する。
そうして撮
いろいろな公共建築を見てきたが、特に写真撮影に関してここまでの手続きが必要なのは初めてであった。もちろん撮影禁止よりは遥かにいい対応である。非常に厳しい印象があるかも知れないが、受付でも相談窓口でも、係員は皆さんとても懇切丁寧である。私は写真だけが目的だったので館内に居たのは十五分ぐらいだろう。退出する際に受付の係員から「もうお帰りですか?お気おつけてお帰りください」などと声をかけられたぐらいである。手続きだけが何故か厳重なのである。
図書館はテロの対象になる可能性が高いのだろうか?と思ってしまった。悲しいことだが最近は図書のページを切り取ったりする利用者が多いと聞く。むしろ利用者のマナー対策だろうが、全く残念なことである。